BIM活用で課題解決とDXを推進|日本BIM協会代表理事・崔峰云氏が語る、これからのBIM活用
- 日本BIM協会

- 2025年5月28日
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更新日:5 日前
建築業界では、設計・施工段階だけでなく、建物の維持管理や発注者支援など、BIMを活用する場面が広がっています。
一方で、「BIMを導入したものの、どのように活用すればよいかわからない」「3Dモデルを作成するだけで終わってしまっている」といった課題も多くあります。
一般社団法人日本BIM協会代表理事を務める崔峰云氏は、BIMを単なる設計ツールではなく、建築業界を支える「インフラ」として捉え、さまざまなプロジェクトでBIM活用による課題解決に取り組んでいます。
今回は、崔氏が代表を務める峰設計株式会社での取り組みを通じて、BIM活用の可能性について紹介します。
BIMを活用し、多様な課題解決へ取り組む
峰設計株式会社は、2018年に設立され、BIMモデル制作、CG制作、BIM導入支援、BIM・AIソリューション開発など、BIMを中心とした幅広いサービスを展開しています。
同社では、単に3Dモデルを作成するだけではなく、BIMが持つ「情報」を活用し、設計・施工・維持管理など各段階における課題解決を目的とした提案を行っています。
崔氏は、
「BIMは単なる3D化のための技術ではなく、建築に関わる情報を蓄積し、活用するための基盤になると考えています」
と語ります。
これまでに大小200件以上のプロジェクトに携わり、官民を問わず、さまざまな分野でBIM活用を推進してきました。
BIMによる完成イメージ共有で、住民説明を支援
東京都が2023年度に実施した「現場対話型スタートアップ協働プロジェクト」では、峰設計が採択されたプロジェクトの一つとして、道路整備における3Dモデル活用に取り組みました。
道路整備や橋梁工事では、現況の地形と完成後の状態を住民や関係者にわかりやすく説明することが課題となる場合があります。
従来は2次元図面や完成予想パースなどによる説明が中心でしたが、任意の場所から完成後の状況を確認することは難しいという課題がありました。
そこで、測量データと設計データを活用し、BIMモデルを作成。さらにウォークスルー機能を組み合わせることで、利用者が実際にその場を歩いているような感覚で完成後の状況を確認できるシステムを構築しました。
モデル作成にはGraphisoft社の「Archicad」を活用し、BIMxによる確認を行いながら調整を進め、最終的にはUnreal Engineと連携することで、よりリアルな表現を実現しました。
崔氏は、
「高さの変化や周辺環境との関係性など、2次元図面だけでは伝わりにくい情報を、誰でも直感的に理解できる形で共有できることがBIMの大きな価値だと感じています」
と説明します。
BIMモデルを活用した建物維持管理への展開
また、東京消防庁(消防学校)の施設管理DXに関するプロジェクトでは、既存建物のデジタル化と維持管理システムの構築に取り組みました。
従来、施設管理では紙図面を利用する場面も多く、修繕履歴や設備情報などを継続的に管理することが難しいという課題がありました。
そこで、3Dスキャンによる現況把握を行い、取得した点群データをもとにBIMモデルを作成。さらにIFC形式でデータ連携を行い、ブラウザ上で利用できる維持管理システムを構築しました。
システムでは、BIMモデル上の対象をクリックすることで修繕履歴を確認できるほか、設備情報の検索や数量管理なども可能となっています。
崔氏は、
「BIMモデルを最新の状態で維持することで、担当者が変わっても建物情報を正確に引き継ぐことができます。これはBIM活用による大きなメリットの一つです」
と話します。
BIM普及には、発注者側の理解と人材育成が重要
これらのプロジェクトでは、BIMモデル制作だけではなく、発注者側のBIM活用方針や情報管理方法についても検討しました。
今後、BIMを活用した発注や維持管理が広がる中では、EIR(発注者情報要件)など、BIMデータの取り扱いルールを明確にすることが重要になります。
崔氏は、
「これからBIMが社会インフラとして定着していくためには、技術だけではなく、BIMを正しく理解し活用できる人材の育成が不可欠です」
と語ります。
日本BIM協会が目指す、BIM人材育成と業界全体の発展
崔氏は、BIMのさらなる普及を目的として一般社団法人日本BIM協会を設立し、BIM資格制度や教育活動にも取り組んでいます。
BIMを活用できる人材を増やし、建築業界全体の生産性向上につなげることが、日本BIM協会の重要な使命の一つです。
今後も日本BIM協会では、BIMに関する正しい知識の普及、人材育成、企業への導入支援を通じて、建築業界のDX推進に貢献していきます。


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